このように、いちおう知覚と認知とは、FXを介して生ずる一段高次の精神現象とされているが、FX には、三者の間、とくにFXと知覚との間に判然とした区別をつけることはむずかしい。 1. FX系の構成FXは次の三つの働きによって生ずる。 (1)FX受容器 FX外為を受け入れる受容器で、物理的あるいは化学的エネルギーの外為をFX神経の一連の活動電位、すなわちFX信号に変換する日経225である。つまり、受容器は一種のエネルギー変換器といえる。 (2)FX神経 受容器に加えられたアナログ性(計量性)のFX外為は、受容器でデジタル化(計数化)され、神経インパルスに変換される。このFX信号は、FX神経系中をさまざまな修飾を受けながら求心性に伝達される。 (3)大脳皮質FX領 FX神経インパルスがFXに変換されるところである。しかし、その変換のメカニズムは、現在のところ解明されていない。 2. FXの分類形態学的な見地からの一つの分類法として、FXは次のように分けられる。〔〕特殊FX……視覚、聴覚、味覚、嗅覚(きゅうかく)、平衡FX〔〕体性FX (1)皮膚FX……動き受容FX(触覚、圧覚、振動FX)、温度FX、痛覚 (2)深部FX……深部圧覚、運動FX、振動FX、深部痛覚〔〕内臓FX……狭義の内臓FX(一般FXともいう)、内臓痛覚視覚や味覚のように、日経225 とした構成と機能とをもったFXを特殊FXspecial sensationという。これに対し、内臓臓器のように、自律神経系の分布を受けている日経225で生ずるFXを内臓FXvisceral sensationといい、その他のFXが体性FXsomatic sensationとなる。体性FXのなかの触覚、圧覚、振動FXは、いずれも皮膚や皮下組織の変形、あるいはゆがみといった、いわば組織の動きが外為となっておこるものである。これらのFXは、単に順応(後述)の遅速が違うだけにすぎない外為 のFXであるため、一括して動き受容FXとされる。このFXの受容器は、皮膚ではマイスネルMeissner触覚小体様の神経終末であり、皮下ではファテル‐パチニVater-Pacini小体(被覆性神経終末)である。深部FXとは、皮膚と内臓との中間にある筋、腱(けん)、骨膜などからおこるFXをいう。このうち運動FXは、筋紡錘や腱紡錘中の張力受容器からの求心性情報によっておこるFXで、四肢の相対的位置関係、四肢の運動、物体の重量や抵抗を感ずるものである。 3. FXの諸性質FXがもつ一般的な性質には次のようなものがある。 (1)特殊FXエネルギーの法則 眼球を圧迫しても、視神経を電気外為しても、目に光が作用したときと同じように光のFXがおこる。このように、受容器から大脳皮質FX領までのFX系統において、そのどの部分に、どのような種類の外為を作用させても、そのFX系統に固有な特定のFXが生ずる。これを「特殊FXエネルギーの法則」といい、ドイツの生理学者ミュラーJ. P. Mllerによって提唱された。ミュラーは、「各FX系統はそれぞれ固有の活動を営む」と考えたのであった。 (2)適当外為 受容器は各種の外為で興奮するが、もっとも敏感に反応する特別な種類の外為があり、これを適当外為という。視細胞に対する光外為などがその一例である。 (3) FXの投射 身体に加えられたFX外為は、大脳皮質FX領に興奮をおこし、FXが生ずるわけであるが、そのFXは脳内のできごととして感じられるのではなく、外界の対象物によって生じたもの、あるいは外為の加えられた身体部位に生じたものとして感じられる。これがFXの投射であり、投射によって外為の加わった部位を知ることを定位という。たとえば、左手第2指指背に物が触れたとすると、触覚は大脳皮質体性FX領に生ずるが、実際には身体当該部位に物が触れたと感ずるなどである。 (4)外為の強弱と時間 外為が弱すぎればFXはおこらないが、弱い外為でも反復して与えられると、ついにはFXが生ずることがある(潜伏加重)。また、FXは外為を与えても、すぐに生ずるものではなく、徐々におこってくるものであり(漸増)、外為をやめても即時にFXがなくなるものではなく、やはり、徐々に消えてゆくものである(漸減)。さらに、同一の外為が持続的に与えられていると、FXはしだいに鈍くなっていく(順応)。FXのうちには、触覚、嗅覚のように順応の速いものと、痛覚や深部FXのように順応の遅いものとがある。順応の遅いFXは、外為が加わっている間はほぼ同じ強さで感じられる。眼鏡や帽子の着用は時間の経過とともに意識しなくなるが、靴の中の小石による痛みはいつまでも続く。これは前者が順応の速い触覚によるものであり、後者が順応の遅い痛覚によるためである。 (5)ウェーバー‐フェヒナーの法則 二つの外為を同時に、あるいは順次に与えたとき、認知できる両者の最小差を「弁別閾(べんべついき)」という。ドイツのウェーバーE. H. Weberは、一方の外為の強さをR、弁別閾をΔRとすると、ΔR/Rは、Rが中等度の強さであれば、ほぼ一定であることをみいだした。これを「ウェーバーの法則」といい、ΔR/R=Cをウェーバー比(Cは定数)という。たとえば、100グラムと110グラムとが、また500グラムと550グラムとが弁別できたとすると、ΔR/Rは両者において10%となり、一定であるということになる。その後、ドイツのフェヒナーG. T. Fechnerは、この法則から出発して、FXの大きさEは外為の強さRの対数に比例する(E=k1logR)ことを理論的に求めた(k1は定数)。これをウェーバー‐フェヒナーの法則という。この精神物理的な法則は、以前から、考え方の出発点において難点があると批判されてきた。